『DQB2(ドラゴンクエスト ビルダーズ2)』のストーリーで訪れる島には「創世録」が置いてあります。
ムーンブルク
おお! いくら 歩いても
この ムーンブルクから 出ることができない。
これはいったい どうしたことか!
どこか 奇妙な ローレシアで 目がさめて
ここまで 歩いてきたが…。
どうやらここは 私が知る世界では ないらしい。
人々は ハーゴン教団を信じ
そして おどろくことに この地の人々は
自分たちで 物を作ろうとはしない…。
私が知る あの あたたかな世界が
こんな ひえびえとした世界で あるはずがない!
しかし… ビルダーの私が
物作りなきこの地に まよいこんだのも
ひとつの 運命なのかもしれない…。
私は 自らの 運命を受け入れ
物作りのタネを 世界の各地に まくつもりだ。
この手記を 創世録と名づけたのは
いささか おおげさかもしれないが
これは 私の ひとつの決意の あらわれである。
私は おとずれた地に
この手記を のこしていくつもりだ。
手にとってくれた 勇気ある者が
名もなき流浪の ビルダーに
少しでも 興味をもってくれたら うれしく思う。
オッカムル
私にとって 新天地となる
この オッカムルの地にやってきて
どのくらいの 月日が たったであろう。
ここは 陽気なあらくれに かこまれた
肉肉しくて 楽しい島だ。
しかし あらくれたちは 筋肉をもてあまし
うさぎを追い キノコやサボテンを 食べながら
しずかな生活を おくっている。
ああ! こんなに立派な鉱山があるのに
これでは もったいない!
私は 前から 興味があった
ある物を この地に 作ってみようと思う。
それがあれば この島は
鉱山街として にぎわい
あらくれたちも 汗水たらして 働くだろう。
物作りなき この世界に
物作りが 芽生えることを いのって
私は あらたな物作りに 着手する。
モンゾーラ
私にとって新天地となる この地にまよいこんで
どのくらいの 年月が たったであろう
モンゾーラと呼ばれる この島では
人々は 日々 なにをするでもなく
ぼんやりと 魚をとって くらしていた。
しかし 私は!
ほかでは 見たこともない この豊かな大地を
そのままにしておくのは しのびなかった。
だからこそ 恵みの大樹を作り
人々を 物作りに 目ざめさせたのだ。
島の人々が 物を作る よろこびを知り
満面の笑みで キャベツをかかげた姿を
私は 忘れないだろう。
物作りなきこの地に
たしかな 物作りが 息づくことをねがいながら
私は 次なる地へと 足をはこぶ。
破壊天体シドー
おお! ここはどこなのだ!
突然 魔物たちにさらわれ 目をさましたら
今まで 見たことのない光景が 広がっていた。
魔物たちは この場所こそが
教団の 約束の地であり 救済の地であると言う。
しかし 私には なんのことか わからない!
この地には 文字どおり なにもなく
赤い荒野が 広がるばかり。
約束の地とは とても思えないのだ!
どうやら 教団の連中は
ビルダーである 私をさらい
ここに 教団の 施設を作らせるつもりらしい。
物作りを禁じているのに
教団の施設は トクベツに 作らせようとする…。
なんて 勝手な連中だろう!
私は この破壊の聖堂に 物作りの芽をのこし
スキを見て 逃げ出すつもりだ。
私には まだ この世界で
作るべき物が おとずれるべき場所がある。
この 物作りなき世界を
物作りのチカラで 満たす…。
それこそが 旅を続けてきた 私のねがい!
もしも ここから逃げ出せたら
からっぽ島という なにもない島に行くつもりだ。
そこに 神殿を作り
この世界の 物作りの 聖地とする…。
それが 私の 最後の夢だ。
からっぽ島
おお! 私は ついに
さがしもとめていた からっぽ島に 行き着いた。
しかし その旅の過程で
私は 知ってしまった。
知りたくなかった 世界の 謎の答えを。
あの地で 目ざめたとき
うすうす 気づいてはいたのだが…。
思えば ローレシアが はじまりだった。
謎の答えを 知った 今
私の気力は うしなわれ
この 老いた身体は 死に向かっている。
ここにおとずれたときは
希望にあふれた 若者だった私も
いつの間にか 老人になってしまっていたのだ。
そして 悪いことに
ハーゴン教団に この島のことを
かぎつけられてしまった…。
寿命のおとずれが はやいか
教団が攻めてくるのが はやいか…。
いずれにせよ。
私の 死は もうすぐそこだ…。