『DQB1(ドラゴンクエスト ビルダーズ1)』のストーリーで訪れる地には「アレフガルド歴程」が置いてあります。
メルキド編
拠点北東

おお! 悪しき竜王が 世界を闇で閉ざしてから
どのくらいの年月が たつのであろう。
世界は 魔物たちに おびやかされ
わが故郷 メルキドも ついに ほろびてしまった。
竜王によって 物を作る力を うばわれた人々は
急速に文明を失い 今や文字すらも 失いかけている。
人間が あたりまえに持っていた 物を作る力は
人間の もっとも大切な力の ひとつだったのだ……。
私は 文明が滅ぶ前に アレフガルドの各地を旅し
世界に起きたことを 記録に残していこうと思う。
これは その誓いの記である。
私の旅の記録は アレフガルド歴程 という
書物としてまとめ 各地に 残していくつもりだ。
もし この誓いを 見たものがいれば
私の足取りを たどってくれるとうれしい。
すべては 大地の精霊ルビスの 導きのままに……。
メルキドの冒険家・ガンダル
旅のとびら・青(奥地の城塞の廃墟)

おお! わが故郷 メルキド!
私は 滅びたと思っていた メルキドの奥地で
シェルターとして作られた 城塞を発見した。
どうやら 私の留守中に 人々は 最後の力で
この おおきな城塞を 作り上げ、
魔物たちの脅威から 逃れるために
その中に閉じこもって 生活をしていたようだ。
しかし… 閉鎖された 城塞の中に暮らす人々は
どこか ようすがおかしい……。
私が 話しかけても 目はうつろで
持っていた食料を うばわれそうになってしまった。
これも 魔物の恐怖の中
閉鎖された空間に 長く居続けた せいなのだろうか。
そんな 恐怖にとらわれた 人々が暮らす
シェルターの中で、
メルキドのまもり神である ゴーレムが
どこか かなしげに 座っている姿が 印象的だった。
メルキドは 愛すべき わが故郷……。
しかし 故郷の人々が住む 場所だからとはいえ
ここに長居すると いいことはなさそうだ。
よからぬことが 起きる前に
私は 次なる地へと 歩を進めることにする。
メルキドの冒険家・ガンダル
リムルダール編
旅のとびら・青(マヒの森手前の部屋の廃墟)

ああ! こんな おぞましい場所が
あの リムルダールであるとは 信じたくはない!
リムルダールはかつて きよらかな 湖に浮かぶ
それは それは うつくしい 島だったはずだ。
それが… いまや どうであろう!
草木は枯れ 湖は毒の沼となり 空気はよどんでいる。
そして わずかずつではあるが 住民たちの間に
得体の知れない 病が 広がり始めているというのだ。
リムルダールの人々は今 残された わずかな力で
けんめいに 病と闘っている。
しかし 人間が完全に 物を作る力を 失えば
病にあらがうことすら むずかしくなるだろう。
そして やがて 人間は 自分たちに
病と闘う力が あったことすら 忘れてしまうのだ!
おお! 人が 物を作る力を 失うことが
ここまで 悲劇的な ものだったとは!
私は この リムルダールの 人々を見た時ほど
竜王への おそれと 怒りを 感じたことはない!
わずかでも この地で 病と闘う人々の
力になりたいと 思う気持ちもあるが、
私には 自分で 自分に課した
使命が 役割が 責務が あるのだ。
私は この リムルダールをあとにし 次は
ここから北 マイラの地に 足を運ぶことにする。
メルキドの冒険家・ガンダル
マイラ・ガライヤ編
拠点内

私は今 メルキドの はるか北に位置する
マイラという 町にいる。
ゆたかな 緑に 囲まれていたという
その うつくしい風景は 今や 失われ、
地面から あふれだした マグマが
町と その 周辺を おおいつくそうとしている。
そもそも マイラとは 温泉で 名をはせた町だ。
火山活動が 活発な 地域だったのかもしれない。
おそらく 竜王が 人間の力を 弱めるために
地下のマグマに なんらかの 細工をしたのであろう。
空に 光が失われ 世界は 絶望の中にある。
しかし マイラの人々は まだ どこか明るいようだ。
それは おそらく いまだ この地に
温泉が 残っているせいなのでは ないだろうか。
ウワサに聞く ぱふぱふ屋なる いやしの施設が
すでに なくなっていたのは 残念だったが、
マイラの温泉は 人間の 生きたあかしとして
いつまでも 残っていてほしいものだ。
メルキドの冒険家・ガンダル
旅のとびら・赤(塔の内部)

メルキド リムルダール マイラ をめぐり
アレフガルドの北西 ガライヤ地方に 行きついた。
長い旅の中で たくさんの 山を越え 海を渡り
私は ひとつ 気づいたことがある。
それは このアレフガルドの地形が
伝え聞いていたものと 少し 違っていることだ。
どうも かいめんがあがり 陸だったはずの場所が
海の中に しずんでいるらしい。
なぜ このような変化が起きたのか わからないが
これも 竜王の 手によるものだろう。
ひょっとすると 人間の往来を断ち
人間たちが協力するのを 防ぐためなのかもしれない。
行きついた ガライヤ地方には 吟遊詩人の
ガライという人物が作った 町が あったはずだが、
今や この地は 冷たい雪と 硬い氷に閉ざされ
町自体も 失われてしまったようだ。
炎とマグマに飲み込まれた マイラ そして
雪と氷に閉ざされた ガライヤ……。
おお! この アレフガルドには もはや
人間の住める地は 残されていないのだろうか!
メルキドから アレフガルドを東まわりにめぐって
どのくらいの年月が たったのだろう。
私はこれから 旅の最後に 残された地
かつての王都があった ラダトームに 向かう。
伝え聞くところでは ラダトームは 今
死と呪いが支配する 死の大地と 化しているそうだ。
はたして そんな地に 希望などあるのだろうか。
メルキドの冒険家・ガンダル
ラダトーム編
仮拠点南西の水場

おお! 我が故郷 メルキドを出発して
どのくらいの年月が 流れたのであろう。
私は ついに かつての王都
ラダトームがあった大陸へと 行き着いた。
しかし この地の ありさまはどうであろう。
まだ ラダトーム城は はるか遠くだというのに
ここにも 死や 絶望のにおいが あふれている。
やはり 竜王の城にほど近い ラダトーム城が
呪いの中心というのは 本当のようだ……。
ただ こんな地にあって きれいな水が飲める
浄化のふんすいが あったのは うれしい誤算だった。
浄化のふんすいの 近くで バケツを使えば
きれいな水が手に入るのだ。
なんでも かつて この地を復活させようとした
とある 研究家が 設置した物らしい。
その研究家は この地の北で
せいすいなる物の 研究をしていたという。
もしも この死の大地を 復活させたいと
願うものがいれば 行ってみるといいだろう。
どうやら この地に降る灰は
人の命を ちぢめる物のようだ… 私は 先を急ぐ。
メルキドの冒険家・ガンダル
拠点内

おお! 我が故郷 メルキドを出発して 幾年月
ついに私は ラダトームの城に 行き着いた。
しかし この地は うわさにたがわぬ 死の世界。
光も 希望もなく ここには 闇と 呪いしかない。
かつては はんえいをきわめた ラダトームの町も
今や荒れ果て 見る影もないのだ。
聞くところでは この地のどこかに
人々の希望を 背負いながら 最後の最後に裏切った、
闇の元凶が 住んでいるらしい。
しかし そのようなこと
今の私には なんの関係もないことだ……。
私には もう
旅を続ける力は 残されてはいない。
私は この地を 旅の終着地にしようと思う。
もし 私の旅の記録を はるか メルキドの地から
ここまで 追ってきてくれたものが いたならば、
私の つらく かなしい旅は ムダではなかった。
ここに その 感謝の想いを 伝えおく。
最後に… 万一を考えて 記しておこう。
もしも この死の大地に 光を取り戻したいのなら
魔物によってうばわれた 希望のはたを 得ることだ。
希望のはたは この城跡の 南にそびえ立つ
魔物たちが建てた あたらしい城の中に あるという。
魔物は強く 城の内部は 入り組んでいる。
考えうる 最大限の準備をととのえて 向かうのだ。
おお! 私の記録を読む 後の時代の冒険者よ。
ラダトームを再建し アレフガルドを復活してくれ!
メルキドの冒険家・ガンダル